回復期リハビリテーション病棟ののの看護師はどんな仕事をするのかな?
今回はこんな疑問にお答えします。
この記事は現役看護師8年目の私が、回復期リハビリテーション病棟で実際に働く看護師にインタビューをして記事を書きました。
Aさん
20代後半 看護師8年目
総合病院の回復期リハビリテーション病棟に4年勤務
この記事を読めば
- 回復期リハビリテーション病棟で働くの看護師の具体的な仕事内容
- 回復期リハビリテーション病棟で働くメリット・デメリット
- 回復期リハビリテーション病棟に向いている看護師
- 回復期リハビリテーション病棟に転職するときのチェックポイント
がわかります。
とはいえ
回復期リハビリテーション病棟ってリハビリだけでしょ。
ぶっちゃけ楽なんじゃない?
と思う看護師も多いでしょう。
そこで今回は回復期リハビリテーション病棟に実際に勤務する看護師に大変だと感じる「闇」の部分も教えてもらいました。
現役で働く看護師のインタビューだから現場にいかないとわからないリアル内情を知ることができます。
職場選びに後悔したくない看護師必見の内容です。
回復期リハビリテーション病棟とは
回復期リハビリテーション病棟の概要
回復期リハビリテーション病棟は急性期治療が終わった状態の安定している患者さんがリハビリを目的に入院をしている病棟です。
具体的には
- 怪我や病気により低下したADLの改善
- 脳卒中などで低下した嚥下機能などの改善
- 麻痺などにより損なわれた機能の改善
を目的にリハビリをしています。
リハビリは2単位(40分以上)実施すると厚生労働省に決められているよ。
他の病棟よりリハビリに費やす時間が長いのが特徴です。
回復期リハビリテーション病棟に多い患者さん
回復期リハビリテーション病棟は対象疾患や入院期間が厚生労働省により定められています。
リハビリが必要な患者さんなら誰でも入院できるわけではないのが特徴です。
対象疾患は具体的にこんな感じです。
対象疾患 | 最大入院期間 |
---|---|
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷などの発症もしくは手術後、または義肢装着訓練を要する状態 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷、および頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折、または二肢以上の多発骨折の発症後、または手術後 | 90日 |
外科手術、または肺炎などの治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後 | 90日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、または膝関節の神経筋、または靱帯損傷後 | 60日 |
股関節、または膝関節の置換術後 | 90日 |
病院にもよりますが高齢者の患者さんが多いです。
骨折や脳卒中の起こしやすいのは高齢者の割合が多いためです。
看護職員人員配置13:1以上 or 15:1以上
施設基準が5段階に分けられている。
出典厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」
回復期リハビリテーション病棟と他の病棟との違い
回復期リハビリテーション病棟と他の病棟を比較してみました。
地域包括ケア病棟との違い
リハビリをする病棟と聞くと地域包括ケア病棟をイメージする人も多いでしょう。
そこで地域包括ケア病棟と、回復期リハビリテーション病棟の特徴をまとめました。
地域包括ケア病棟 | 回復期リハビリテーション病棟 | |
---|---|---|
入院目的 | ・急性期治療後の患者さんの在宅復帰を目指す ・在宅療養中に悪化した患者さんの入院 | ・急性期治療後の患者さんの在宅復帰を目指す |
対象疾患 | なし | ある |
看護職員人員配置 | 13:1 | 13:1 or 15:1 |
入院日数上限 | 最長60日 | 最長180日(疾患による) |
リハビリの時間 | 決まりなし | 2単位(40分)以上 |
病棟で行うこと | ・疾患に対する治療 ・リハビリテーション | ・「発症以前の状態」を目指すリハビリテーション |
出典:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」
大きな違いは
- 入院が出来る期間
- 入院の出来る疾患
- リハビリの単位数に決まりがあるか
といえるでしょう。
回復期リハビリテーションの方が治療が少なく、よりリハビリテーションに力を入れているといます。
地域包括ケア病棟をもっと詳しく知りたい場合は
をチェックして下さい。
一般病棟との違い
急性期疾患を取り扱う一般病棟と回復期リハビリテーション病棟のの違いをまとめました
急性期病棟 | 回復期リハビリテーション病棟 | |
---|---|---|
入院の目的 | 病気の発見、検査、治療 | ・急性期治療後の患者さんの在宅復帰を目指す |
対象疾患 | なし | あり |
看護師の人員配置 | 7:1 | 13:1 or 15:1 |
大きな違いは
急性期は治療を目的とし、回復期リハビリテーション病棟はリハビリを目的としている
であるといえるでしょう。
回復期リハビリテーション病棟の看護師の仕事内容
回復期ハビリテーション病棟に勤務する看護師の仕事内容は
- 全身状態の観察
- リハビリ看護
- 患者・家族の精神的サポート
- チーム医療の中核を担う
それぞれ詳しく紹介します。
全身状態の管理
バイタルサインズ測定を行い患者さんに異状がないか確認します。
高齢の方が多いので、既往にある慢性期疾患が悪化したり、食事形態を変更したら誤飲性肺炎になってしまったりすることも多いです。
入院をするきっかけになった疾患にとらわれず包括的に観察を行います。
リハビリ看護
回復期リハビリテーション病棟ではPTやOTによるリハビリだけでなく病棟の生活自体もリハビリです。
トイレでの排泄動作を獲得したり、活動量を増やし体力をつけたりするなど自宅退院を見据えて自分でできることはやってもらえるよう関わっていきます。
患者様とご家族の精神的サポート
回復地リハビリテーション病棟に入院する患者さんは入院期間が長いことによるストレス、残った障害と向き合う不安、復職や介護の不安があります。
そういった患者さん、家族の思いをうけとめ、患者さんがリハビリへ前向きに取り組めるような関りが重要です。
例えば
- 患者さんの思いを傾聴
- 不安に応じた福祉サービスの紹介
- 精神科の介入を依頼
- 気分転換に外出・外泊の検討
などです。
患者さんと一番関わる機会が多いから思いがきけたり、時には不満をぶつけられたりするよ。
チーム医療の中心的役割
リハビリをすすめていくためにはチーム医療が大切です。
患者さんと関わる機会の多い看護師は多職種との橋渡しとなります。
例えば
・自宅の生活環境をPTに伝えリハビリの内容を検討する
例:自宅がふとん→床からの立ち上がりができるか評価
・家族の不安をMSWと共有して福祉サービスを調える
例:奥さんが高齢でお風呂介助が出来ない→訪問入浴orデイサービス導入の検討
です。
患者さんの情報を多職種で共有し同じ目標にむかってチーム全体で関わることができるよう働きかけます。
回復リハビリテーション病棟で働く看護師の1日の流れ
回復期リハビリテーション病棟で働く看護師に1日の流れを聞いてみました。
日勤
夜勤
回復期リハビリテーション病棟看護師の平均年収
回復期リハビリテーション病棟の看護の平均年は見つけられませんでした。
厚生労働省によると看護師の平均年収は
看護師平均年収は
492万円です。
回復期リハビリテーション病棟も夜勤があるため看護師の平均年収と同じくらいの年収は稼ぐことができると予想できます。
私が総合病院で働いていた時、回復期リハビリテーション病棟で働く同期と給料を比較したけどはほぼ同じだったよ。
ただし突発的な事が少なく一般病棟と比べると残業が少ないため、今まで残業代で稼いでいた人にとっては少なく感じる人もいるでしょう。
実際に回復期リハビリテーション病棟で働く人の感想
回復期リハビリテーション病棟で働く看護師に感想きいてみました。
回復期リハビリテーション病棟で良かったこと
回復期リハビリテーション病棟で悪かったこと
回復期リハビリ病棟で働くメリット・デメリット
メリット
回復期リハビリテーション病棟に勤務するメリットは
- 前残業が少ない
- 状態が回復して退院していく患者さんを退院まで見届けられる
- 患者さんと時間をかけて関われる
- ルーティンワークが基本で急変がほぼない
- 多職種と関われる
です。
前残業が少ない
回復期リハビリテーション病棟は状態の安定している方が長期間入院している病棟です。
患者さんの出入りが少なく、入院中の患者さんも状態がかわらないことが多いです。
そのため朝の情報収集の時間が少ない傾向があります。
回復期Nsに聞いたら平均○分前出勤だと教えてくれたよ。
朝はゆっくり出勤をしたい看護師や、将来子供が生まれても病棟勤務をしたい看護師にとっては働きやすいでしょう。
状態が回復して退院していく患者さんを退院まで見届けられる
回復期リハビリテーション病棟では患者さんの退院に立ち会うことが出来ます。
患者さんが笑顔で退院をする姿をみてやりがいを感じる看護師もいます。
理由としては
・ADLが徐々に回復していく過程をに関わっていた
・サービス調整やリハビリなど患者さんに関わる時間が長い
からです。
自分が長期間関わった患者さんが無事に退院できる姿を見れることに喜びを感じるでしょう。
患者さんと時間をかけて関われる
回復期リハビリテーション病棟の最大入院期間は150日。
長期間の入院となるため時間をかけて看護をしたい、患者さんコツコツ関係をを築くのが得意という看護師に人気があります。
ルーティンワークが基本で急変がほぼない
回復期リハビリテーション病棟は急性期治療が終わった慢性期・回復期の患者さんが入院いしているため急変がほとんどありません。
治療もほぼないたルーティンワークで仕事をすすめるのが基本。
急性期のようないつ、何がおこるかわからないピリピリとした緊張感が苦手な人にとっては気を遣わずに働くことが出来るでしょう
多職種と関われる
回復期リハビリテーション病棟は患者さんのADL向上に向けて多職種で関わっていきます。
多職種で患者さんの状態や、今後の方針を相談する機会が多いので
・福祉サービスや介護保険など退院後の生活も見据えた看護をしたい
・リハビリの知識を得たうえで看護をしたい
など医療行為以外の分野も学ぶ機会があります。
医療行為以外の看護に興味がある方にはやりがいを感じることが出来るでしょう。
デメリット
回復期リハビリテーション病棟で働くデメリット
医療行為が少ない
回復期リハビリテーション病棟は医療行為少ないです。
患者さんの状態が悪化して専門的な治療や必要になったり、OPE適応となると病棟を移動して治療を行うからです。
そのため最新の医療や、急性期看護を学びたい人にとっては物足りなく感じるでしょう。
苦手な患者・家族と長期間関わらないといけない
回復期リハビリテーション病棟は最大日間入院をすることができます。
厚生労働省によると一般病棟の平均在日日数は15日であることをふまえると圧倒的に長い時間を患者さんと過ごすことがわかります。
患者さんが高圧的であったり、独特な完成をもっていて関わり方が難しいと感じてもすぐに退院にはなりません。
苦手な患者さんとも長期的にかかわらないといけないことはデメリットといえるでしょう。
出典:厚生労働省 一般病床の現状について(急性期医療に関する作業グループ第3回(1/261/26)資料)
回復期リハビリ病棟に転職をするときのチェックポイント
精神科療養病棟へ転職を考えているときに、ここを見ておくと失敗をしない!職場探しのポイントをまとめました。
病院の規模
福利厚生や教育制度の充実度を知りたい方は病院の規模を見てみると良いでしょう。
規模が大きく経営基盤の安定している病院は福利厚生や教育体制が手厚い傾向にあります。
有給のとりやすさや研修の有無にを具体的に知りたい場合は職場見学で直接聞くいいでしょう。
「直接聞くのは気を使」ときは転職サイトを活用しても情報を得ることができます。
転職サイトについて詳しく知りたい場合は
をチェックして下さい。
残業時間の程度
回復期療養病棟は残業が少ないと思って入職をしたら、実は残業が常習化している病棟だったということがないように事前に確認しておきましょう。
病院のWebサイトもチェックしてみると残業に関する詳しい情報が掲載されていることもあります
実際に働いている人のリアルな口コミを知りたい場合は知りたい場合は転職サイトorナスコミを利用するといいでしょう。
ナスコミ、転職サイトが気になる場合は
に詳しくまとめてあります。
病院のシステムや設備
個人経営の精神科療養病棟は設備や主義が昔ながらのやり方をしていることがあります。
設備であれば
- 今でも紙カルテを使っている
- ベッドのギャッジアップが手動ハンドル式である
- 点滴のラベルが手書き
などです。
また褥瘡処置などのケアも昔ながらの方法や独自のやり方で実施している病院もあります。
独自の病院のシステムや対応の仕方があり、基本からずれた方法をすることに我慢できなくなるスタッフもいます。
基本通りでなくても自分は看護師として我慢が出来るか、受け入れることができるか考えておきましょう。
全ての回復期リハビリ病院が独自のシステムがあるわけではないですが、そういった病院が存在するのも事実。
実際に職場見学に行ったり、働いている人の口コミをチェックして確認しておきましょう。
もし回復期リハビリ病棟でもキチンと根拠をもって医療を届けたい場合は総合病院の回復期リハビリ棟を選ぶといいでしょう。
定期的に研修や、人員移動があるため療養型病棟でも情報がアップグレードされやすく、根拠のあるケアを提供している可能性が高いです。
回復期リハビリテーション病棟以外に残業がなくて楽な病棟
回復期リハビリテーション病棟が向いている看護師
回復期リハビリテーション病棟が向いているのは
- 患者さんが回復する過程に関わりたい
- 前残業の少ない病棟で朝はゆっくり過ごしたい
- 突発的な事が少ない病棟で精神的な負担をなくしたい
- 患者さんの退院に立ち合いたい
- 医療行為の少ない病棟で医療ミスに怯えずに働きたい
- 多職種連携に興味がある
- 患者さんとゆっくり時間をかけて関わりたい
看護師です。
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