療養型病棟病の看護師はどんな仕事をするのかな?
今回はこんな疑問にお答えします。
この記事は現役看護師の私が療養型病棟に務める看護師にインタビューをして執筆しました。
この記事を読めば
- 療養型病棟で働くの看護師の具体的な仕事内容
- 療養型病棟で働くメリット・デメリット
- 療養型病棟に向いている看護師
- 療養型病棟に転職するときのチェックポイント
がわかります。
とはいえ
療養型って医療行為がすくなくて楽なんでしょ?
と思う看護師も多いでしょう。
しかし現実はそう甘くはありません。
そこで今回はは療養病棟に勤務する看護師のリアルな声もお届けします。
療養型病棟の特徴を知れば自分がむいているのかが分かります。
職場選に後悔したくない看護師必見の内容です。
療養型病棟とは
療養型病院は急性期の治療を終えた慢性期の患者さんが長期的な療養を目的として入院する病棟です。
平均入院期間は4-5カ月と長いことが特徴。
入院期限がないため中には1年以上と長期入院をしている患者さんもいます。
状態が安定している方が多いため看護師の配置基準は20:1と一般病床よりも多くの患者さんを受け持ちます。
療養型病棟と一般病棟の違い
療養型病棟と一般病棟の違いをまとめました。
療養型病棟 | 一般病棟 | |
---|---|---|
入院の目的 | 状態が安定している方が治療の継続や回復を目指す。 お看取り目的 | 病気の発見、検査、治療 |
平均入院期間 | 120日程度 | 12日程度 |
看護師の人員配置 | 20:1 | 7:1 |
療養病棟は一般病棟と比べると、状態の安定している患者さんが退院にむけて長期間入院をしている特徴があります。
療養型と地域包括ケア病棟の違い
状態が安定している人が多い病棟ときくと地域包括ケア病棟を思い浮かべる人もいるでしょう。
それぞれの違いを図にまとめました。
療養型病棟 | 地域包括ケア病棟 | |
---|---|---|
入院目的 | 状態が安定している方が治療の継続や回復を目指す。 お看取り目的 | 急性期治療後の患者さんの在宅復帰を目指す 在宅療養中に悪化した患者さんの入院 |
入院日数上限 | なし | 最長60日 |
看護師の人員配置 | 20:1 | 13:1 |
地域包括ケア病棟は「在宅への退院」を目的としています。
そのため療養型病棟より動ける方が多く、在宅復帰に向けてのリハビリや治療を中心に行います。
地域包括ケア病棟についてもっと知りたい方は
を参考にしてください。
療養型病棟の仕事仕事内容
療養型病棟の看護師の主な仕事内容は慢性期患者さんの療養生活を支えることです。
医療行為は少なく、日常的なケアが中心となります。
具体的には
・点滴、内服薬の管理
・バイタルサイン図測定
・食事、入浴、排泄介助
・褥瘡処置 痰の吸引
・経管栄養
・身の回りのサポート 介護業務
・認知症・不穏患者さんの対応
です。
これらの業務を看護補助と協力して行います。
経口摂取ができない患者さんや、寝たきりの患者さんが多いから経管栄養や褥瘡処置が多いのが特徴だよ。
療養方病棟の1日の流れ
実際に療養病棟で働く看護師に1日の流れを教えてもらいました。
日勤の流れ
夜勤の流れ
療養型病院の看護師のメリット・デメリット
療養型病院で働くメリット
ルーティンワークで残業が少ない
療養型病棟は状態の安定している患者さんが多くルーティンワークの業務が多いです。
急変や緊急入院、OPEといった突発的な出来事がないため残業は少ない傾向があります。
時間で帰ること出来るのでプライベートを重視している看護師に人気があります。
医療行為が少ない
療養型病院での仕事は、おむつ交換や食事介助といった日常的なケア業務が多く、急性期病院と比べて採血や点滴などの医療行為は少なめです。
そのため病棟以外の特殊部署から転職をする人や、経験の浅い看護師でも負担なく働くことが出来ます。
患者さんと長期的に関われる
厚生労働省の調査によると療養型病院は入院期間が平均で120日、一般病床は12日です。
療養型病棟は入院期間が長いため患者さんと長期的にかかわることができます。
1人の患者さんにゆっくり向き合ってケアを提供できる環境でしょう。
ただし療養型病棟は寝たきりでコミュニケーションをととれない患者さんも多いのが特徴。
患者さんとの関わりでコミュニケーションを重視している場合は、思ってたケアが出来ない可能性があるので注意が必要です。
療養型病院で働くデメリット
医療的な処置スキルを磨く場が少ない
療養型病棟が状態の安定している方が入院しています。
そのため専門的な医療行為にかかわったり、新しい手技を身に付けたりする機会はほとんどありません。
最新の医療を学びたいと思っている人にとっては物足りないと感じでしまうでしょう。
また将来急性期病棟でバリバリ働きたいと考えていても、療養病棟からの転職だとハードルが高くなることは理解しておきましょう。
力仕事が多く腰を悪くしやすい
療養型病棟は日常生活のケアがメイン。
おむつ交換、ベッドや車いすへの移乗、トイレや入浴介助など、力仕事が多くなります。
そのため腰に負担がかかり腰痛をもっている人もいます。
加えて一般病棟よりも力仕事が多いことから、体力的に疲れると感じる人も多いのが特徴です。
一般病棟でも腰痛持ちの人って多いよね。
療養型病棟に限らず看護師の職業病です!
一通りの業務経験が求められる
個人で経営している療養型病院で働く場合、看護師は全体的に年齢層が高い傾向があります。
転職してくる人もある程度、病棟を経験している人がほとんど。
そのため新人を育てる機会が少なく教育体制が整っていない可能性があります。
他にも、夜勤が補助者1名、看護師1名という病院も存在します。
その場合、急変が起きたときは全て自分で対応しないといけません。
ゆっくり働くことが出来る一方、ある程度の業務経験を求められる職場も存在します。
業務に自信がないけど療養病棟を希望する場合は総合病院の療養病棟がおすすめ。
総合病院だと毎年新卒をとっているから教育やフォロー体制がしっかりしていることが多いよ。
職場の教育体制を確認したい場合は、職場見学や面接で直接確認をするか、転職サイトを活用するのがいいでしょう。
転職サイトについて知りたい場合は
を参考にしてください。
処置が多くおもっていたより忙しい
療養型病棟は突発的な事は少ないですが、一般省よりも多くの患者さんを受け持ちます。
さらに褥瘡処置や吸引、移乗に介助が必要な方も多くいため治療がなくてもやることが多いのが特徴。
治療がなくゆっくり働けると思って入職をすると業務量が多く思っていたよりも忙しいと感じる看護師もいます。
業務量は多いけど急変とかの突発的な事は少ないから残業は少ないよ
療養型病棟の給料は?
看護rooの調査では療養型病院で働く看護師の給料は
療養型病院の看護師の年収
年収380万~550万程度
です。
厚生労働省の発表によると、2021年の看護師平均年収は492万円。
療養型病棟は看護師の平均年収を稼げることがわかります。
夜勤があるため高い水準を維持しているのでしょう。
ただし緊急入院などによる残業が少ないため、残業代で稼いでいた人にとっては少なく感じることもあるでしょう。
夜勤がアリでしっかりと稼ぎたい人看護師に選ばれる職場です。
出典:看護roo!転職サポート 療養型病院で働く看護師の仕事内容|給料はどうなる?仕事は大変?
療養型病院はこんな看護師におすすめ
療養型病棟の特徴から就職がおすすめの人を紹介します
療養型病棟におすすめの看護師は
- ケア業務が好き
- 患者さんに長期的にかかわりたい
- ルーティンワークが苦にならない
- 体力に自信がある
- 他職種とも連携できる協調性がある
- プライベート重視で、残業はしたくない
- 夜勤OK!
- 年収はできるだけ下げたくない
です。
当てはまるものが多ければ職場見学に行って実際の様子を確かめてみましょう。
療養型病院の看護師求人を探すポイント
療養病棟へ転職を考えているときに、ここを見ておくと失敗をしない!職場探しのポイントのまとめました。
病院の規模
福利厚生や教育制度の充実度を知りたい方は病院の規模を見てみると良いでしょう。
規模が大きく経営基盤の安定している病院は福利厚生や教育体制が手厚い傾向にあります。
有給のとりやすさなどを具体的に知りたい場合は職場見学で直接聞くと教えてくれます。
直接聞くのが気を使うときは転職サイトを活用すると情報を得ることができます。
転職サイトについての詳しく知りたい場合は
のをチェックして下さい。
残業時間の程度
療養病棟は残業が少ないと思って入職をしたら、残業が常習化している病棟だったということがないように事前に確認しておきましょう。
病院のWebサイトもチェックしてみると、残業に関する詳しい情報が掲載されていることもあります
実際に働いている人のリアルな口コミを知りたい場合は知りたい場合は転職サイトorナスコミを利用するといいでしょう。
ナスコミ、転職サイトについての詳細は
をチェックして下さい。
病院のシステムや設備
個人経営の療養型病棟は設備や主義が昔ながらのやり方をしていることがあります。
設備であれば
- 今でも紙カルテを使っている
- ベッドのギャッジアップが手動ハンドル式である
- 点滴のラベルが手書き
などです。
また褥瘡処置などのケアも昔ながらの方法や独自のやり方で実施している病院もあります。
独自の病院のシステムや対応の仕方があり、基本からずれた方法をすることに我慢できなくなるスタッフもいます。
基本通りでなくても自分は看護師として我慢が出来るか、受け入れることができるか考えておきましょう。
全ての療養病院が独自のシステムがあるわけではないですが、そういった病院が存在するのも事実。
もし療養病棟でもキチンとした医療を届けたい場合は総合病院の療養病棟を選ぶといいでしょう。
定期的に研修や、人員移動があるため療養型病棟でも情報がアップグレードされやすく、根拠のあるケアを提供している可能性が高いです。
療養病棟転職でよくある質問
若いうちに療養病棟にいくと転職に困る?
慢性期中心の職場への転職は問題ない。
急性期への転職は自分のやる気次第です。
看護協会のスタッフに聞いてみました。
同じ療養病棟、施設、訪問看護への転職には困らない。
急性期病棟への転職も可能だが自分が苦労するだろう。
透析や献血センターなどの特殊部署はどこの領域からの転職でも採用されやすさはかわらないだろう。
実際に私の看護師の友人同僚で慢性期から急性期へ移動したスタッフがいます。
慢性期が気に入っていて、病院の命令で急性期へ移動した人は数年すると再び慢性期へ戻っていく人が多かったです。
逆に慢性期では物足りなくて急性期を希望した同僚はICUに勤務し20年以上急性期病棟で働得き続けています。
慢性期からのステップアップは本人のやる気次第といえるでしょう。
療養型病棟以外に定時で帰れて楽な職場
療養型病棟以外で定時が帰れる職場は
があります。
これらの職場については
に詳しくまとめたものをチェックして下さい。
介護さんとのトラブルがある?
実際に療養病棟で働く看護師にインタビューをしました。
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