看護師に向かないと言われるADHD。
実際に働くとどんなことが大変なんだろう
大変を解決する方法はあるのかな?
今回はこんな疑問を解決します。
この記事はADHDの診断がついている私が6年間実際に病棟で働いた経験をもとに書いています。
あわてんぼうで悩んでいるのはあなただけではありません。
あわてんぼうさんがどんなことで悩みやすいのか、それの解決方法を一緒にみていきましょう。
発達障害でない人も現状が辛いと仕事に悩んでいる方、働き方に悩んでいる方は共感できる内容となっています。
現状に働きにくさを感じている方は参考にしてください。
看護師で辛かったこと・大変だったこと
ADHDの私が看護師をして辛い・大変と感じていたのはこの3つ!
・ミスが許されない
・ギスギスした人間関係
・人より頑張っていても完璧な看護師になれない
それぞれ詳しく説明していきますね。
看護師はミスが許されない
看護業務は患者さんの命にかかわる仕事。
小さなミスが患者さんの治療に影響することもあるからミスは絶対に許されません。
しかしADHDはその特性からケアレスミスが多いもの。
実際に私も入職したばかりのころは患者間違いをしそうになる、薬品の間違い、聞き間違い、誤字脱字など小さなミスが非常に多かったです。
幸い患者さんに影響するものは無かったのですがミスが多い自分がすごく嫌でした。
しかもそれが続くと「ミスが多い人」という認識になりスタッフから信用されなくなっていきます。
それが一番辛かったです。
このあたりについては次の見出しで詳しくかいていきますね。
ただ、だんだんと自分のミスをしやすいポイントがわかってくるので、そのポイントをまとめたチェックリストの作成や、意識的に確認を増やすことでミスが予防できるようになりました。
それからは夜勤やリーダー業務も始まりだんだんとスタッフからも信頼してもらえるようになりました。
ギスギスした人間関係
チームで動く看護師だからこそ間関係は重要。
円滑にコミュニケーションがとれるかどうかがで働きやすさがかわります。
でも看護業務は業務量が多い、重症患者さんがいる、時間に追われているなど精神的に負担がかかることが多く、普段温厚な人でもピリつくことも多い仕事。
また女性の職場ならではの陰口や派閥などあっても疲弊してしまいますよね。
そんな悩みやすい看護師の人間関係。
それらももちろんありましたが、ADHDの特徴による悩みはこの2つ。
- ミスが多いためにスタッフからの指導が入る
- ミスが多いためにスタッフに馴染めない
ミスが多いためにスタッフからの指導が入る
指導が続くと自信がなくなり、だんだんと惨めな気持ちになっていくのが辛かったです。
新人の頃はミスが多かったため指導をしてもらうことや、助けてもらう機会が多くありました。
指導をしていただけるのは本当にありがたいことですが、何度も指導して貰うというのは辛いもがあります。
新人の頃は自己学習や翌日行う処置の事前学習はきちっとしたうえで、ミスが多いのも気になっていたのでその対策も考え実施していました。
でも最初の頃はそれがうまくいかなくて結局ミスが多いまま…。
だからスタッフから返ってくる反応は「頑張っているね」よりも指導のほうが圧倒的に多くて、自分は頑張っているのに結果がついてこない状況というのが悔しかったです。
さらに悔しいと思えているうちは頑張れますが、それが続くと自分が惨めに感じ自信がもてなくなっていきます。
そうなると仕事にいくのがどんどん辛くなる、でもミスが多いためまた指導→さらに自信がなくなるという負のループでした。
自分のミスをしやすいポイントを理解してからはミスをする回数は軽減しました。
ミスが多いためにスタッフと人間関係が築けない
ミスが多いと信頼されず人間関係を築けないのが辛いです。
スタッフと人間関係を築けるかって働きやすさを大きく左右しますよね。
特に雑談のしやすさは重要。
ちょっとした患者さんの情報交換や、改めて質問するほどではないけどちょっと心配なことの相談をしたり、会話の中で「そろそろ回ります?」なんてチームで円滑に動きやすくなったりするから「雑談」ができるととっても働きやすくなります。
でもミスが多い自分に負い目があった私は雑談ができなくて病棟のスタッフに馴染めなかった記憶がありあります。
スタッフとも空き時間にするのは「これやった?」など確認作業が多くなるので、必然的に雑談という空気ではなくなります。
スタッフと関係性が築けない状態はすごく働きにくかったです。
こちらも自分の特徴を把握してミスが減ってから、信頼が得られ人間関係も良好になりました。
人より頑張っていても完璧な看護師になれない
ミスをしない対策をしてもADHDの特徴を0にすることができないのが辛かったです。
対策をすればミスは確実に減らせますが、あわてんぼうの部分が根本的になくなるわけではありません。
どんなことでもテキパキできる仕事の早い看護師にはなれませんでした。
私は新人の疾患の勉強を人並みにしたうえで、チェックリストを作る、情報収集を工夫する、周りのスタッフへの周知など特徴を改善するために奮闘した記憶があります。
同期より多くの時間を仕事のために費やしましたが仕事ができる完璧な看護師にはなれませんでした。
(ここでの完璧な看護師とは仕事が早くできてミスが少ない看護師と定義します。)
どんなに対策をしても私はあわてんぼう看護師のままだ…という事実が辛かったです。
ただし周りからは患者さんへの接遇が素晴らしい・目標にしている、認知症対応がピカいち、プリセプターが完璧!と評価してもらえることがありました。
仕事を素早くテキパキこなす以外にも、看護師として求められている技術があることを知ってからは、私は看護師をしていてもいいんだと心が楽になりました。
それに加えて看護師さんなら誰もが感じる夜勤がしんどい、Drや患者さんの板挟み、勉強量が多いなど様々な事がかぶさってくるから本当に大変。
皆よく頑張っているよね。
看護師が辛い・大変を乗り越える方法
そんな大変な看護業務。
どやって乗り越えていったらいいのかな。
まずはこの3っつをやってみましょう。
・ストレス発散する方法をみつける
・何が辛い・大変と感じているのかを考える
・自分がどうしたいかを考える
ストレス発散する方法をみつける
対人スキルも、看護スキルも求められる看護業務は本当にハード。
だからこそ休みの日はストレス発散をしましょう。
人と遊ぶ、趣味に没頭するなど自分の好きなことをしてください。
まずは自分の心を大切にして、そのうえで余裕ができたら次のことを考えてみましょう。
心に余裕がないと冷静な判断ができないよ。
だからまずは気分転換が大切♪
何が辛い・大変と感じているのかを考える
自分は何が辛い・大変と感じているのか考えましょう。
人間関係なのか、労働環境なのか、精神面なのか…それによって解決策は異なります。
人に相談をできることなら話を聞いてもらうのもおすすめです。
人に話すことで自分の考えもまとまりますし、自分では気がつかないアドバイスをもらうこともできます。
まずは自分が辛い・大変と感じている原因を見つけましょう。
自分がどうしたいかを考える
今の状況から自分がどうしたいのかを考えましょう。
現状で頑張りたいのであれば解決策を、環境があわないと感じるのであれば病棟移動や転職を、そもそも看護師を辞めたいのであれば休職や他の職種を検討するなど…。
自分は何が出来て、何が得意なのか、逆にどんなことが苦手なのか具体的に考えて整理することで、これからどう行動していくのか具体的に見えて来ます。
そうはいっても急に部署移動なんてできないし…。
どうしたらいいんだろう?
具体的にはこの順番で挑戦してみるといいよ。
ハードルの低いものから順番にやってみよう。
1,自分で対処できることを考える
辛いこと、大変だと感じていることに対して自分で対処できることはあるのかを考えます。
自分の働き方を工夫する、周りへの声かけを工夫する、などまず自分が出来ることを考えてみましょう。
私は小さなミスが多いため自分だけのチェックリストを作成しミス予防をしていました。
ミスの多かった私が実際に行っていた対策〇にまとめてあるのでチェックしてみて下さい。
2,上司に相談をする
自分で対処しても解決しない場合、自分ではどうしようもできないことは上司に相談をしてみましょう。
特に師長や主任への相談がおすすめです。
相談だけで終わらず、主任会などで議題にしてくれたり、勤務を配慮してくれたりと解決にむけて動いてくれる可能性が高いからです
相談するとき「自分ではここまでやっているが、解決せずに困っている」と自分で行った対策も上司に伝えるとより効果的です。
私の場合は部署移動をした直後に「夜勤にいつ入るか」について師長と相談しています。
具体的には「自分はミスをしやすい、そのためにチェックリスとなどを作って対策をしている。しかし慣れない環境では対策をしてもミスはしやすい傾向にある。夜勤に入るのをもう少しあとにしてくれないか。」という内容です。
その結果、夜勤に入るタイミングを少し遅くしてもらい、回数なども働いた様子で勤務を組んでもらうことができました。
3,部署移動を申し出る
それらをしても解決をしない場合は部署異動も1つの手です。 同じ病院内でも環境や人がかわればうまくいく場合も多いです。
実際に別の病棟で夜勤に入れなかったスタッフが、私の病棟に異動になってからは順調に成長して1年で夜勤はもちろん、勤務のリーダーまで出来るようになった例があります。
異動というと逃げているようにかじる人もいるかもしれませんがそんなことはありません。
部署によって仕事内容や患者層が異なるため、人によって働きやすい部署、そうでない部署というものはあります。
自分にあった部署を選ぶというのも大切なことです。
環境に問題がある場合や、自分やスタッフの対応ではどうすることもできないときはまずは異動を申し出るのがおすすめです。
私はADHDの特徴から突発的なことが多い&時間に追われる急性期は合わなかったよ。
4,転職を考える
部署移動が難しい、自分にあった部署がないのであれば思い切って転職を検討するのもひとつの手です。
自分がなぜ転職するのか、何のために転職をするのか(条件)を明確にして自分に合った職場を見つけましょう。
看護師の転職方法につていは◎にまとめてあります。
転職方法も色々あるから自分いあった方法を使うといいよ。
・看護師が辛いことがあっても辞められない理由
奨学金の返還がある
奨学金を借りた人の中には、辞めたいと思ったときに返還を求められ退職を悩んでいる人もいるでしょう。
しかし、労働基準法第16条では、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定められています。
つまり少額金の返済が終わっていなくても退職が可能です。
また奨学金を肩代わりしてくれる病院もあるため、退職金が理由で悩んでいる人はそういった病院への転職を検討するのもいいでしょう。
退職はOKだけど奨学金の返済義務はあるよ!
返済時期や方法についてはしっかり病院と相談をしてね。
※出典:国税庁『令和2年度民間給与実態統計調査』より
仕事を失うのが不安で踏み出せない
辛いことがあっても退職後に仕事がみつかるのか、という不安も仕事を辞められない理由のひとつです。
いきなり退職をするのではなくて、自分の働らく目的と条件を明確にして、それにあった求人があるのか確認をしてみるのも良いですね。
転職までは考えていないが、とりあえず求人状況を見たい場合は電話勧誘のないハローワークやジョブメドレーなどの転職閲覧サイトのだと気軽に利用ができます。
ハローワークは大学病院や国公立病院の求人に強く、ジョブメドレーは沢山の求人をみれるのがメリットだよ。
ジョブメドレーの公式サイトを見てみる
看護師のやりがい
人の役に立っている
大変な看護師を続けていられるのは人の役に立っていることを実感できる機会が多いためです。
点滴などの処置を1つするだけでも「ありがとう」と声をかけてくれる方もいて、人から感謝されることが多い仕事でもあります。
自分がケアを行い回復して退院していく患者さんを見れるのは嬉しいもの。
自分の仕事が役に立っていると感じる機会が多いことが看護師を続けられる理由です。
専門的な知識が身につく
仕事で得た知識は日常生活でも役立つことが多いです。
例えば家族が熱を出たときや体調を崩したときに、このくらいなら様子をみて明日も熱が続くようなら病院へ行ってみようなど、焦ることなく根拠のある対応ができるのが良いですね。
また友人の中には「家族の介護が必要になった時に自分が看てあげられた」や「祖父がお看取りのときも本人の一番楽な方法を選択してあげられた」といった意見もあります。
医療的な知識は実際に使う機会も多く仕事以外でも役立ったと感じることが多いのが魅力ですね。
患者さんと話が出来る
これは私が感じていたメリット。
入院中の患者さん、病棟の看護師という立場だと初対面でも患者さんが気さくに話しかけてくれるのが魅力。
特に慢性期病棟だと入院期間も長いもの。
患者さんとの関わる時間も増えるため、自分の仕事の話や、家族の話など色々な話がきかせてくれてました。
自分と違う世代の価値観や人生、思いを聞ける機会なんで普段はないですよね。
私にとっては看護師ならではの魅力だなと感じていました。
看護師のメリット
転職が容易
看護師の有効求人倍率は非常に高く、厚生労働省のデータによると2.5倍前後を水位しています。
求人率が非常に高く引く手あまたな職業といえます。
そのため転職を考えたときには職場にもよりますが容易に出来るのがメリットです。
参考:厚生労働省「看護職員の現状と推移」
看護師は給料が安定している
厚生労働省による「令和2年賃金構造基本統計調査」では、正看護師の平均年収491.8万円(平均年齢41.2歳)となっています。一方国税庁の調査による日本の40代前半女性の給与の平均値317万円。
夜勤がある、命をあずかる責任の重さを考えると安い金額かもしれませんが、金額だけでみると一般女性の給与額よりも高い金額を安定して受け取ることができます。
また女性が多い職場のため、女性でも役職が付く、育休、産休がとりやすい環境であることも多いです。
※出典:国税庁『令和2年度民間給与実態統計調査』より
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